日頃の外来診察では、妊娠が判明した時に、何に気をつければいいかという質問をよくうけます。それぞれの生活スタイルが異なるので一言では言えませんが、いくつかの点をあげてみたいと思います。
1)仕事は続けていいか?
妊娠中に仕事を続けられる方は多いです。ただ、仕事があまりに体や精神的な負担になるようでしたら就業時間を短くしたり、休みながら続けることも必要になってきます。多くの場合、妊娠経過を見ながら判断することになります。
2)喫煙について
妊娠中の喫煙は流産率や胎児の奇形を増加させます。また発育をさまたげる原因になります。妊娠をきっかけに禁煙する方も多いようです。ご主人さんが喫煙しそれを副流煙という形で吸い込むこともやはり胎児に影響があります。
3)日常の過ごし方
妊娠によって日常生活を大きく変える必要はありません。自転車や自動車の運転についても体に負担のない程度なら問題はありません。ただ、自分では気がつかないうちに体に負担がかかっていることもあります。不規則な食事や睡眠やストレスは妊娠には悪い影響があります。
4)おかしいと感じたときの対処
体重が極端に増えてしまうあるいは全く増えないなどの所見があるときや、お腹の張りが頻繁にあるときは要注意です。これらの症状が見られた時には日常生活を見直すことが必要です。妊婦健診の時にもその点を重視しています。
5)風邪の予防
妊娠中は免疫力の低下もあり、風邪などの感染症にかかりやすいので、日頃からその予防には努めましょう。感染のピーク時には、うがい手洗いはもちろんのこと、不必要に人ごみに出かけることは避けられることも大事です。